とりさえいれば!

飼い鳥のはなし、野鳥のはなし。鳥さえいればいいのだ

あれから

こんにちは。

人間が悲しみ続けられるのは一週間ほど、と何かで知ったが、そんなものなんだなぁと実感した。
ふいに思い出し涙が出たり、わっと感情が揺れることはあるけれど、ずっと泣き続けることはできないんだ。

それって薄情なんじゃないか、と思っていたら、友人から「日にち薬で少しずつ癒えてくる、人間は器用な生き物だね」という言葉をもらった。
そんな風に言い換えてもらったことで、少しだけしゃんとしたように思う。ありがたかった。

虹

気を紛らせるために、音楽をたくさん聴いた。
以前の記事で、歌詞があるとその意味を汲み取ろうと引きずられてしまって、メロディ自体を楽しめない、と書いたが、今は歌詞があることで救いになり、自然な涙も出て、心に沁み入るような気もして、
今はたくさんの音と言葉を吸収する時なんだなと感じている。

虹

本も読んだ。
手に取ったのは、
恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』。
ピアノコンクールでの、4人の主人公たちのそれぞれの気持ちの動きと、その人から押し出されるように出てくる演奏の表現を描いたもので、

暗く硬く冷たい心の底と、輝き光り浮き立つような、明るく優しく暖かく柔らかいものが、たくさんの言葉たちで書かれていて、どんどんページをめくった。

「本を読む」ということは、目の前いっぱいに文字があって、それは私には馴染んだ世界でもあって、そこにいられる安心感も後押ししたのか、パラパラと涙が出ていた。
気持ちのスーッとする、晴れた日の柔らかい風を思う話だった。苦しい時を越えたからこそ感じられるぬくみのようだった。
私もいつかそんな気持ちになれるのかな。
今回直木賞を取ったので知らない人にもたくさん読まれるといいなと思う。

(演奏に関して「指先からほとばしる」とか「紡ぎ出される」といった表現を、あらゆる言葉で表わしていて、
「言葉のうねり」「言葉の洪水」を感じられる本だと思います。
ステレオタイプにしか言えない自分の語彙力のなさが恥ずかしいですが、そんな風に思える本でした。
恩田陸さんの本はすべて読んでいるけれど、恩田さんならではの文章を書くのでいつも楽しみです。)

虹

それから花も買った。
部屋に花を飾るなど、ついぞしたことのない私だが、動物病院から立派なアレンジが届き、それをぼんやり眺めていると、安らいでくるのがわかった。
撫でてもらったような感じがした。

自分で買ったのはスイトピー。
花の根元の黄色から、先のピンクへのグラデーションが、
まるで淡いオレンジ色に見えて、美人だったあの子のように、ふんわりしている。

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なんにもまとまらないのですが、ようやく、そのままを書いてもいいかと思えたので書きました。

ご自身のブログで悼んでくださったYさん、
メッセージをくださったnさん、。さん、
こちらでお礼させていただきます。
ありがとうございます。

お付き合いいただき、ありがとうございます。